小惑星「リュウグウ」で“オトヒメとウラシマ”がはやぶさ2を待っている – ニュースイッチ Newswitch

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小惑星「リュウグウ」で“オトヒメとウラシマ”がはやぶさ2を待っている – ニュースイッチ Newswitch

子どもたちに親しみやすく

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星「リュウグウ」へのタッチダウン(着陸)が2月中旬以降に迫っている。そんな中、リュウグウ表面に「オトヒメ」や「ウラシマ」などの日本のおとぎ話に由来する地名が付けられた。小惑星に日本由来の名前を付けることで宇宙に親しみやすくなり、宇宙科学や科学技術への関心が高まると期待される。





正式名称に決定

 小惑星表面の地名は、国際天文学連合(IAU)の作業部会で審議される。はやぶさ2プロジェクトチームは2018年6月、作業部会にリュウグウ表面の地名のテーマを「子ども向けの物語に出てくる名称」にすることを提案。このテーマが認められたため、論文などで取り上げられる重要な地形13個の地名を同作業部会に申請し、一部の修正を経て同年12月に正式名称として認められた。今後も追加で地名を申請する予定。


 今回、13個の地名は4種類の地形に分類した。月などでなじみがある皿状の穴を表す「クレーター」のほか、峰や尾根を表す「ドルサム」、溝を表す「フォッサ」、岩塊を表す「サクスム」を地形の名前として申請した。ギリシャ語であるクレーター以外はラテン語で表記している。





情熱と遊び心

 リュウグウ表面には多くの岩塊が分布している。岩塊の存在がはやぶさ2のタッチダウンの難易度を上げており、プロジェクトチームは岩塊を避けた着陸計画を練る。それほど岩塊はリュウグウの大きな特徴となっており命名の対象となった。小惑星で岩塊(サクスム)の命名は初めて。


 今回の命名にはプロジェクトチームがミッションに込めた情熱と一種の遊び心がある。


 同チームの吉川真ミッションマネージャは「小惑星表面に物語を描いている」と強調する。


 例えばおとぎ話の「桃太郎」に出てくる桃太郎ときびだんごを隣り合ったクレーターとして「モモタロウクレーター」「キビダンゴクレーター」と名付けている。


 だが小惑星リュウグウを竜宮城に見立てる上で、浦島太郎と乙姫を登場させることは必須と言える。そこで最大のクレーターを「ウラシマクレーター」、最大の岩塊を「オトヒメサクスム」と名付けた。





こだわり伝える

 またオトヒメはすでに金星で「オトヒメトーラス」という地名で使われていたため、IAUが提案を却下。だが同チームの野口里奈研究開発員は「リュウグウの地名として浦島太郎の話に出てくる乙姫をぜひ使いたかった」と再度IAUに訴え、認められることになった。


 古くから月にうさぎがいるという言い伝えがある。宇宙探査の新たな活動の場となったリュウグウで新しい物語が紡ぎ出されるかもしれない。


リュウグウ表面の地名(JAXA提供)

(文=冨井哲雄)

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