焦点:三菱UFJ社長に三毛頭取 求められる改革推進力(ロイター) – Yahoo!ニュース

0
4
焦点:三菱UFJ社長に三毛頭取 求められる改革推進力(ロイター) – Yahoo!ニュース

[東京 25日 ロイター] – 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は来年4月、傘下の三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取が社長を兼務する新体制をスタートさせる。強力な統率力で国内トップバンクの地位を確立した平野信行社長から6年ぶりの体制変更だ。目前に横たわるのは、長引く低金利環境、急速なデジタル化の波、拡大した海外ビジネスに潜むリスク。カリスマトップとして君臨した平野氏とは異なる個性で、どのようにビジネスモデルの改革を進めるのかが問われる。





<見送られた社長と頭取の分離案、課題残るガバナンス>





関係者によると、トップ人事を議論する指名・ガバナンス委員会は、新体制の条件として1)社長と頭取の分離、2)新陳代謝―などの要件を挙げていたという。





MUFGの新社長は、傘下銀行頭取から昇格し、1―2年程度兼務するのがこれまでの慣例。銀行中心の金融グループであることの象徴でもある。





しかし、監督する側と、される側が同じトップではガバナンスが機能しないとの認識は、金融当局も含めて広がってきた。指名委では一時、世代交代を進め、トップを分離する人事案も浮上したという。みずほフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループも、すでに両ポストの分離にかじを切っている。





26日に会見した平野信行社長は、兼務について「ガバナンスの本来の形からは望ましくないというのが、指名委の一致した意見」としたうえで、今回も踏襲した理由を「構造改革を加速していくためには、早期に強力なをリーダーシップを確立する必要がある」などと説明した。





ただ、グループ内では今年6月に証券子会社で国債先物取引の不正が明らかになったほか、三菱UFJ銀の関西の支店でも不適切な取り引きが見つかるなどして、金融庁から銀行法に基づく報告を求められている。「取締役会の機能を十分に効かせる」(平野社長)としたが、構造的なガバナンスの課題は残ったままだ。





<求心力は維持できるか>





今年5月に発表した中期経営計画は、3年間で約20%の増益を図る内容だ。増益の7割を担うのが海外事業。そのうち米国のユニオンバンクや、タイやインドネシア、フィリピン、ベトナムの銀行が展開するリテール事業が約半分を占める。





邦銀でこれだけ本格的に海外でリテール事業を手掛けるのは、MUFGだけだ。しかも、実際のオペレーションは出資先のパートナーバンクが担い、MUFGの連結経営力が問われるビジネスモデルになった。





この道筋を作った平野社長からバトンを受け取った三毛氏は、米ユニオンバンク会長を経験、タイのアユタヤ銀行買収では陣頭指揮も執った。グループ内からは「国際業務には不安はない」(幹部)との声があるものの、求心力を発揮していた平野氏の後任だけに「パートナーバンクをまとめられるかが正念場になる。中計の成否を決める大きな要素だ」(銀行アナリスト)との指摘が出ている。





三毛氏も会見で「(各銀行が)どれだけMUFGのフランチャイズとして付加価値を上げることができるかが大切」と語った。





一方で、海外事業のガバナンスも課題だ。米国とアジアへの展開で、環太平洋のフランチャイズは完成した。「その分、兵たんが伸びきってしまい、リスク管理が難しい」(グループ幹部)状態だ。





米国通貨監督庁(OCC)からは、ガバナンスのぜい弱性も指摘されてもいる。体制整備の遅れを浮き彫りにしているが、三毛氏は「どういうリスクを抱えているのか強く認識している。東京の本部でガバナンス体制を整えるだけではなく、現地の人材登用進めている」とした。





<必要とされる改革推進力>





三毛氏は昨年、体調不良で退任した小山田隆前頭取の後任として急きょ、頭取に就任。着任後、国内拠点で開いたタウンホールで、手ぐすね引いて待ち構える従業員達を前に「肩に力が入り過ぎだね。まずリラックスしよう」と呼びかけ、自ら上着を脱いだという。「ふっと会場の空気が変わった。警戒心を解かせる術は見事」と参加したある支店長は話す。





海外の顧客とも容易に打ち解け、「コミュニケーション能力にたけている」(役員)との声もある。「社長が出席する会議は、独演会になってしまう」(幹部)との声も出る平野氏とは、異なるタイプのリーダーになりそうだ。





ただ、海外業務を得意とする三毛氏にとって、国内業務部門は鬼門になる可能性がある。中堅中小企業向けや、個人向け業務は、低金利政策やデジタル化の直撃を受け、大きな構造改革は不可避。今年度から国内の約500店舗のうち、70―100店舗を機械化店舗に転換するなど施策を進めている。





だが「今後の経営環境やデジタル化のスピードによっては、さらなる改革が必要になる可能性もある」(別の銀行アナリスト)。





レガシー(負の遺産)との決別には、抵抗勢力との摩擦は避けて通れない。「修羅場を明るく乗り切るリーダー」(平野氏)とされる三毛新社長が、厳しい川を渡り切れるかどうか真価が問われる。

LEAVE A REPLY

Please enter your comment!
Please enter your name here